山陰のテレビ放送が始まったころからほぼ同じ姿で続いているCMのキャラクターが、何とカプセルトイのキーホルダーになり、観光客や帰省客の注目を集めています。

JR松江駅にある商業施設で様々な土産物が並ぶ中…。

記者 入江直樹
「テレビで見慣れた馬の絵が描いてあります。ちょっと100円玉入れてやってみましょう」

100円玉5枚を入れてみると、出て来たのはあのユーモラスな顔の馬のキーホルダー…。山陰の人なら思わず「錦のお味噌じゃ知らないか」と歌い出しそう。

松江市内の味噌メーカーを訪ねると。

小西本店 営業担当 石原誠さん
「錦味噌どうしたの?何やってんの?っていう感覚を皆さんに持って頂くというのが一番大事かなと思いましたんで。そこが今回ガチャだったんですけれども。山陰の方はすぐにあのCMが多分浮かんだと思うので。その辺がうまくマッチしたのかなと」

黒船来航と同じ年1853年に創業の老舗味噌メーカーが、今年2月から県内4か所に置いているカプセルトイの販売機。

CMに出てくる馬と山、人の3種類があり、かたい老舗メーカーが意外なことを始めたと注目してもらう狙いだったとのこと。

小西本店 営業担当 石原誠さん
「便利なフリーズドライとか、そういった所にお客様がどうしても行ってしまうんで、こういった生みそも、どうしても縮小傾向にあるというのは実際です」

味噌汁がおふくろの味、などとは言うものの、味噌の消費量は年々減っていて、さらに手軽なフリーズドライなどに替わって来ているといいます。

顧客層が40代以上に限られる中で、若者への認知度アップ作戦の1つがこのグッズ販売というわけです。

シャミネ中浦本舗 河野淳一店長
「先月160個くらい回して頂いてますんで。とても評判が良いです。僕もですけど、子どもの頃から見たCMのキャラクターがガチャになってますんで、注目度も高いですし。味噌も購入して頂けたら嬉しいなと」

また作戦のもう1つが、他社と連携しての新商品開発。
土産物用の味噌ラーメンは、本業の味噌の取り引きにもつながったとのこと。

さらにこれらを、山陰へ帰って来た人の目に触れやすいJR松江駅構内の商業施設や出雲空港の売店などで販売した結果、懐かしいと買った人が友だちにSNSなどで広める好循環も生まれたといいます。

不思議なカプセルトイの正体は、山陰ならではの強みを生かした反転攻勢大作戦でした。