この絵は…?ポッコだって、ポッコ…

画集から見つけた人物を独特の味わいのある形で描き、見たこともない色使いで独創的な作品を生み出します。今では「越中アートフェスタ」奨励賞など、一般の公募展でも高い評価を受けています。

日本画家 清河恵美さん:「健常者と中谷君の絵と、個性はあるけど、絵として変わらないんですよ。障害者だからこういう絵を描くっていうんじゃない見方で見られたら一番アートとしてはいいんじゃないでしょうか」

中谷さんは、平日、「新川むつみ園」内の事業所で部品の袋詰め作業などをしています。

記者:「中谷さん」
職員:「中谷さん」
職員:「中谷君」
中谷さん:「…」
記者:「仕事の時はあんまりしゃべってくれないんですか?」

仕事熱心で、特に、ねじの袋詰めは速さも正確さも事業所イチです。

新川むつみ園・新保友啓さん:
「黙々と、猪突猛進で燃え尽きるまでがんばってます」(ガチャン)「今ちょっと緊張して落とてましたけど(笑)」

そんな中谷さんの楽しみはー。

記者:「中谷さんコーヒーおいしいですか」
中谷さん:「はい、コーヒー、はい」

日本画教室の仲間とのおしゃべりも中谷さんの楽しみのひとつです。

日本画教室の仲間:「最初の頃は遠慮してあまりしゃべられなかったんだけど、慣れたらこの調子」

中谷さんは、県美術館で開催される現代アートの展覧会の出品作家の一人に選ばれました。

記者:「この絵は何の絵なんですか」
中谷稔さん:「ポッコやって、ポッコ。ポッコ、え、何て名前やっけ?」
清河恵美さん:「いいよそれで。それでいいよ」