<竹川知佳記者>
「静岡市清水区で橋桁が落下した現場です。こちらでは警察が7日夕刻前まで現場検証を続けていました。現在も前日と変わらず、巨大な鉄製の橋桁が道路をふさいでいます。現場を訪れた警察の捜査員が入念に確認していたのは、橋桁が落下した起点となる橋脚の部分です。8人が死傷する事故はなぜ起きたのか?その状況が少しずつ明らかになってきました」
7月6日未明、静岡市清水区尾羽の国道1号バイパスの工事現場で発生した橋桁の落下事故。落下したのは重さ約140トン、長さ65mの橋桁でした。この事故で、工事にあたっていた8人の男性作業員らが巻き込まれ、このうち53歳と51歳の2人が死亡。6人が重軽傷です。
<竹川知佳記者>
「午後4時前、捜査員がひも状のものや靴とみられるものを回収し、袋に入れました」
静岡国道事務所によりますと、現場では橋桁を固定する場所に降ろす「桁降下」という作業が行われていました。「桁降下」はサンドルと呼ばれる積み木を撤去しながら、油圧ジャッキで徐々に降ろしていく工法です。捜査関係者によりますと、この際、橋桁がバランスを崩すなどのトラブルが発生し、7人は橋桁に巻き込まれる形で9m下の道路に落下したとみられています。
それでは、なぜ橋桁は落下してしまったのか?直接現場を見た専門家はこのように話します。
<埼玉大学工学部 奥井義昭教授>
「横取りのための梁(はり)が途中で切れたような感じになっていて、その支えているサンドル(積み木)が左側のところ、このブロックみたいなやつだけど倒れているので、多分そこが崩れたんじゃないかなって」
奥井教授は現場に残る積み木が倒れた跡から、橋桁が降下中にバランスを保てず、横に落ちたと分析します。
さらに疑問なのが、なぜ7人は巻き込まれてしまったのか?という点です。土木工事に詳しい芝浦工業大学の稲積真哉教授は、落下した7人が逃げ場のない状況にあったのではないかと推察しています。
<芝浦工業大学工学部 稲積真哉教授>
「もし、傾いたような形で倒れてきた橋桁に、待ち受けていた作業員が巻き込まれてしまうと。橋桁が落ちて同時に、作業員や人に損害が加わるということは、何としても避けなければならない。そのために『フェール セーフ(fail safe)』と呼ばれる、失敗しても大丈夫というような措置をどこまで講じていたのかが今後の課題になる」
高さ9mの橋脚の上で、最悪の状況を想定できていたのか。警察は業務上過失致死傷の疑いで捜査を進めていて、当時の安全管理体制などを確認しています。
<竹川知佳記者>
「国道1号バイパスという交通の要所で起きた事故。大きな課題となっているのは交通状況の改善です。橋桁が落下した国道1号バイパスは現在、下り線は通行止め、上り線が1車線ずつの対面通行となっていて、車線が減少するエリアで渋滞が発生しています。この道路は(東名)清水インターチェンジから合流してくる車が多く、これまでも混雑する道として知られていました。こうした課題の解消として進められた工事での橋桁落下事故ですが、現状、規制の解除の見通しは立っていません。橋桁の撤去を始めるには警察の現場検証が終わらなければなりませんが、問題の解消にはまだまだ時間がかかりそうです」
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