西日本豪雨から5年を迎えた被災地です。岡山県倉敷市の真備地区ではきょう(7月6日)、様々な追悼イベントが企画されました。
その中の一つ、倉敷市真備支所の会場から、豪雨5年の取材を続けてきた松村記者に伝えてもらいます。

(松村みなみ記者)
私はいま、倉敷市の真備一緒に来ています。西日本豪雨では、この場所にも濁流が押し寄せました。5年前のあの日、私もこの場所で刻一刻と水かさが増していく様子を取材していました。
5年が過ぎ、町から当時の爪痕がゆっくりと消えていっているのを感じるとともに、被災者の方々は、今も複雑な思いを抱えていることを、取材を通じて痛感しています。

今日はこの後、こちらで追悼行事が行われるということで、地域の住民でつくる「箭田地区まちづくり推進協議会」の皆さんが来られています。その中の1人、片岡さんです。よろしくお願いします。
ー片岡さんは、きょうどのような気持ちで迎えられましたか?
(片岡さん)
あのときは、まさかここでこんなことが起きるなんて、思ってもみなかったことだったので、「あのとき何ができたのかな」「どうしたらよかったのかな」という思いと、「今だったらどうするかな」という複雑な気持ちです。
ー5年という月日をどのように過ごされてきましたか?
大勢の人に助けられて、何とか今があるので、その感謝の気持ちを忘れないでいきたいな、という思いです。
ーこの後こちらでは、どのようなイベントが行われるのでしょうか?
「祈りの日」ということで、皆さんで豪雨の次の年から毎年灯りをつけて、祈りの気持ちを込めています。

ーその明かりというのがこちらのキャンドルですね?
はい、昨年から手作りのキャンドルを作って、一緒に並べています。箭田地区の皆さんに声をかけて、子供さんや大人もそれぞれ思いを込めて作っているので、今日それをハートの形に並べて付けたいと思ってます。

ー片岡さんはどのような気持ちを込められたんですか?
あのとき大勢の方が亡くなって、私も親しい方たちが亡くなっているんですけれど、「助けてあげられなくてごめんね」という気持ちと、「このことを忘れないで伝えていかなければいけないな」というような気持ちで、灯りをつけたいと思ってます。

ーまち並みが元に戻りつつある中で、これからどんなことが大切だと思われていますか?
本当に今こうしているのが、大勢の方に助けていただいたおかげで今があるので、もう本当に、その感謝の気持ちを忘れないでいたいと思っているのが一つあります。それから、まだまだつらい思いや寂しい思いをされている方が大勢おられると思うので、みんなで支え合うまち作りになっていたらいいなと思います。
それから、これから先、誰も逃げ遅れない。一人も命を落とすことのないような取り組みを、まち作りでも考えているので、一つでも何かできたらいいなと思っています。

ー取材を通じて様々なつらい気持ちや複雑な気持ちをお持ちの方がたくさんおられること、またその中でも前を向いて進もうとされている方がたくさんいるということを感じました。片岡さん、ありがとうございました。
祈りの日は午後7時30分まで灯されます。また明日7日は、献花台も設置されるということです。西日本豪雨から5年を迎えた倉敷市の真備支所からお伝えしました。















