西日本の各地で甚大な被害をもたらした西日本豪雨から、5年を迎えました。岡山県や広島県などの各地で、追悼式が行われています。

堤防が決壊し、エリアの大部分が浸水した倉敷市真備町では、午前10時から追悼式が始まりました。

式の冒頭で、倉敷市の伊東香織市長が「ここ真備地区では災害関連死を含めて75名の方々のかけがえのない命が失われました。心より哀悼の誠を捧げます」「激甚化する自然災害が各地で発生している中で、平成30年7月豪雨災害の教訓を生かし、災害への備え、地域の防災活動、災害の記憶伝承、流域全体での治水の取り組みなどを進めてまいります」と式辞を述べました。

また遺族を代表して、母親を亡くした三丸幸三さんが、 「母との突然の別れから、はや5年が経ちます。母は自分のことよりも常に子どもたちのことをきにかけてくれる、優しくてとてもあかるいひとでした」

「実家に一人で暮らす母のことがとても気にかかり、北九州から20時間かけて真備にたどり着きましたが、実家は2階まで水没したあとがあり、母は帰らぬ人となってしまいました」

「この悲しい経験を教訓に、災害弱者の犠牲を一人でも減らせるよう、体制を整備することの重要性を訴えていくことが、母への弔いになると思います」と述べました。

5年前に発生した西日本豪雨で、岡山県では災害関連死を含めて95人が亡くなり、3人が今も行方不明のままです。

その一方で、国などが進める真備地区の治水事業の進捗状況は8割を超えていて、小田川と高梁川の合流点の付け替え工事は今年度中に完了する予定だということです。また災害後、岡山県内では最大3400世帯あまりが入居していた仮設住宅についても、昨年9月までに解消されたということです。

西日本豪雨では、広島県で152人、愛媛県で33人が亡くなっています。