今年の開幕直前、支配下登録を勝ち取ったロッテの2年目、小沼健太(23)。ここまで13試合に登板し、5月26日の交流戦・広島対ロッテ(マツダスタジアム)では中継ぎとしてプロ初勝利を上げた。

地元・千葉の東総工高校出身。独立リーグの2球団を渡り歩き、2020年育成ドラフト2位でロッテに入団した。身長189センチから、最速152キロのストレートと落差のあるフォークを武器に、1年目はイースタンでリーグ最多の18セーブ。次世代の守護神として存在感を示し、背番号「121」から2桁の「50」を勝ち取った。

こだわりの一杯を飲んでマウンドへ

中継ぎ投手は、1点差の緊迫した場面や大差をつけられている状況など、さまざまな場面で登板する可能性があるポジション。タフな精神力が求められるが、小沼には勝負飯ならぬ、意外なこだわりの一杯があるという。「カフェラテが好きなんで、試合前にはいつも飲んでます。ロッカーにいる時間があるのでそこでリラックスという意味を込めて」。甘くほろ苦い一杯で心を整え、厳しい勝負の時に備えている。

プロ初登板は3月30日のソフトバンク対ロッテ(福岡PayPayドーム)。ロッテが1点を追う8回から、マウンドに上がった。「支配下になれて、思った以上に早く1軍の舞台に上がれたなという風な思いです」と2度のリーグMVPを誇る主砲・柳田悠岐(33)を擁するソフトバンク打線相手に、2回を投げ1安打無失点に抑えた。

   
小沼選手


憧れは「出てきたら終わり」と思われるピッチャー          

小沼が描く理想の投手像。それは初登板の相手だったソフトバンクの絶対的セットアッパー、モイネロ(26)だ。150キロを超えるストレートと、相手がのけぞる程大きく変化するカーブを武器に、通算118ホールドをあげている左腕。「タイプとかじゃなくて単純に『モイネロが出てきたら終わりだな』っていう感じが。ソフトバンクと試合していても思う所ではあるので、そう思われるピッチャーにはなりたいなっていう風には思います」。名前がコールされた瞬間、相手を“絶望”させる助っ人の姿に憧れている。

「独立リーグの時はやっぱり1人では生きていけなかったので。僕は埼玉武蔵ヒートベアーズと茨城アストロプラネッツに行ったんですけど、埼玉と茨城でそれぞれ違う方たちに支えていただいて。(プロ入りが決まって)『早く1軍で見たいから』『球場に応援しに行くからね』とたくさんの方からメッセージをもらいました」。


独立リーグを経てプロ入り

プロとしてはまだまだ産声を上げたばかりだが、将来‘‘幕張の防波堤‘‘となる可能性を秘めている。支えてくれた人への感謝の思いと喜びをかみしめ、1軍のマウンドに上がる。

■小沼健太(おぬま・けんた)
1998年6月11日生まれ、23歳。千葉県出身、東総工高~BCリーグ・武蔵〜BCリーグ・茨城。右投げ右打ち。東総工では1年からベンチ入りも甲子園出場なし。BCリーグの武蔵、茨城を経て、20年育成ドラフト2位でロッテ入団。1年目はイースタンでリーグ最多の18セーブ。今季の開幕直前に支配下登録され、3月30日ソフトバンク戦でプロ初登板。