中国と韓国の外務省幹部が会談し、悪化している中韓関係を改善させることで合意したことを明らかにしました。

中国外務省によりますと、孫衛東外務次官は4日、韓国の崔泳杉外務次官補と北京で会談しました。

このなかで、孫外務次官は「中国と韓国は切っても切れない隣国であり、両国関係の健全で安定的な発展を維持することは非常に重要だ」と指摘。「両国が直面する困難を早期に克服し、健全な発展軌道に復帰することで一致した」として、悪化している中韓関係を改善させることで合意したことを明らかにしました。

中韓関係は、韓国に駐在する中国大使が先月、アメリカとの同盟関係を重視する尹錫悦政権を批判したことなどから急速に悪化していました。

韓国が日本やアメリカとの関係を強化し、中国離れともいえるスタンスを取るなか、中国政府としては、韓国との関係を改善することで日米韓の連携を崩したい狙いもあるものとみられます。

また、福島第一原発の処理水の海洋放出をめぐり、日本への批判を強めている中国としては、この問題で韓国と足並みをそろえたい思惑もあるものとみられます。