フランスで17歳の少年が警察官に射殺された事件をきっかけに各地に広がった暴動。ホテルの予約のキャンセルが相次ぐなど観光への影響も出ています。

記者
「レストランのテラス席ですけども、テントもテーブルも完全に焼けてしまっています。いま、片付けに追われています」

抗議活動の起点となったパリ郊外・ナンテール。焼けたテーブルや椅子を片付ける人たちの姿がありました。丸焦げになった車が路上でそのままにされています。

先月27日、この街で17歳の少年が検問中の警察官に射殺され、抗議活動が全土に広がりました。一部で暴動に発展し、1000店舗以上が略奪の被害を受けていて、これまでにおよそ3500人が拘束されています。

影響は観光にも出ています。パリのシャンゼリゼ通りでは、複数の高級ブランド店が被害を防ごうと柵を設置しています。外国人観光客によるホテルなどの予約は7月初めだけで20%から25%がキャンセルされると予測しているといいます。

アメリカ人観光客
「いつも頭の片隅にあります。危険なことがないかとニュースを見ています」
ブルガリア人観光客
「小さな子どもがいるから少し心配です」

夜9時以降はバスや路面電車が運行を止めていることもあり、飲食店の売り上げにも響いています。

レストランオーナー
「夜は明らかに客数が減っていて、通常より2~3割少ないです。お客さんは怖がって、夜はホテルの部屋から出ないのです」

死亡した少年の親族の訴えもあり、過激な行動は縮小傾向にあります。

ただ、再び拡大する可能性も指摘されていて、懸念は続いています。