松江城が築城されたころの瓦かもしれません。
国宝・松江城で4月に行われた発掘調査で、江戸時代の瓦敷きと呼ばれる遺構から、堀尾家の家紋が記された貴重な瓦などが見つかりました。
国宝・松江城。

記者 木谷茂樹
「松江城天守の北側にやってきています。こちら瓦敷きという遺構が敷かれているんですがその中にあるのが堀尾家の家紋が記された瓦なんですね。大変珍しいということなんですね。」
天守の北側に掘られた長さおよそ40メートル、幅50センチ、深さ50センチほどの遺構からその瓦は見つかりました。

松江市発掘調査係 江川幸子 文化財副主任
「断言することは難しいが天守閣に近い位置にあるので屋根からの雨水の泥はね防止、場所が場所だけに防衛したい場所でもあるわけですね。」
「瓦敷き」。
城の屋根からしたたる雨による泥はね防止や防衛のための「武者走り」のため整備され、天守の瓦を葺き替えた際に捨てる瓦が使われたと考えられています。
松江市発掘調査係 江川幸子 文化財副主任
「出てきたときは正直びっくりしました。出たっ!って感じですね。」

今年4月、松江市が防災施設の整備事業にともなって発掘調査をしたところ、「瓦敷き」の遺構とともにその貴重な瓦が見つかったのです。
松江市発掘調査係 江川幸子 文化財副主任
「これが家紋瓦です。松江城を建てた堀尾氏の「分銅紋」。今回松江市ではここで3例目。」
こちらが城主・堀尾家の家紋「分銅紋」がデザインされた貴重な瓦。
「家紋瓦」が発見されたのは今回で3例目となります。
松江市発掘調査係 江川幸子 文化財副主任
「松江城の瓦を見上げますと、これだけの軒丸瓦が使われている。これだけ掘った中で(家紋瓦は)非常に少ない数です。例えば鬼瓦の上や下など要所要所で使われていたと考えられる。」

この「家紋瓦」は松江開府の祖・堀尾吉晴が築城し始めた1607年から完成までの5年間に調達され、その後、葺き替えの際に瓦敷きに利用された可能性が高いとみられていて、松江市は7月、これらの出土品の一部を松江城天守で展示することにしています。














