様々なサービスを定額で利用できる「サブスク」は、音楽や動画配信などのほか、洋服や車のレンタルなどにもサービスが広がっています。
そうした中、生活の拠点となる「家」にもサブスクが登場し、利用者が急増中ということです。

長野県塩尻市の贄川宿(にえかわじゅく)にある、シェアハウス。
その一室でパソコンに向かうのは、大阪出身の西出裕貴(にしで・ゆうき)さん・32歳。

東京のIT企業に勤める会社員ですが、仕事はもっぱらリモートで行います。
そんな西出(にしで)さんが、3年前から「サブスク」しているものが…
■西出裕貴(にしで・ゆうき)さん
「“住居のサブスク”ですね。先月は石垣行ったんですけど…」

西出(にしで)さんが利用しているのは、「ADDress(アドレス)」という「住まいのサブスク」サービス。

北は北海道から南は沖縄県・石垣島まで、登録されている全国270か所以上の好きな「家」に定額で住み放題という、驚きのサブスクです。
■西出裕貴さん
「今で大体、37都道府県回った。最初は大阪と東京を行ったり来たりっていうところからアドレスの生活が始まったんですけど、だんだん『いけるな』と…」

17人が共同生活を送る塩尻市のこのシェアハウスも、ADDress(アドレス)に登録されている「家」のひとつです。
西出さんは、サブスクで滞在したのをきっかけにここを気に入り、2022年10月に正式な住人として入居。
現在は、偶数月は塩尻市で暮らし、奇数月はサブスクを利用して全国を回る生活です。

「(荷物は)これです。この2つですね。(これでいろんな所をまわる?)そうですね。これが基本で。(何を持っていく?)大体みんな服が7割。僕の場合だと体重計入れてます。食べ過ぎないように!」「短い拠点だと本当に2~3日で出るとき時もあるし、長くいたいって思う拠点だと1週間近く。地名が読めないようなところもアドレスがあるから行ってみるかみたいな形で行くことが増えて、基本、毎日『初めまして』の暮らしなので、もう3年だけでも多分1000人以上とは会っている」
賃貸物件やホテルでの滞在では得られない、出会いがあるという住まいのサブスク。

そのきっかけになるのが、それぞれの「家」にいる「家守(やもり)」の存在です。
■家守・山田海斗(やまだ・かいと)さん
「ここでみんながお仕事をしたりとか、本棚があるんですけど本を読んだりとか…」
山田海斗さん(25)は、塩尻のシェアハウスの家守。

月の半分ほどは訪れるというサブスク会員の「暮らし」をサポートするのが役割です。
■家守・山田海斗さん
「会員さんが来られたときに、僕が一番最初に会ってお部屋に案内したりとか、それから夜は住人さんと一緒にご飯を食べるような時間を作ったりとか。いい散歩コースがあるので一緒にそこまで散歩したりとか、あとは塩尻の駅前にすごく大好きな飲食店があるので、そこ案内したりとかしてますね」
地元のことを知る家守が繋ぐことで、会員はただ滞在するだけでなく、その地域の住民のように「暮らす」ことができるのです。
 
   
  













