“プリゴジン反乱”きっかけは?

日比キャスター:
この反乱のきっかけは一体何だったのか改めて見ていきます。
【反乱までの経緯】
▼ロシア側はプリゴジン氏に対し、国防省と契約をするよう通告
→国防省と契約をしないと以下の条件を課すとしていた
・資金提供打ち切り
・ウクライナでの軍事作戦にも参加させない
▼これに対して、プリゴジン氏は契約を拒否
→この契約を拒否したことが、反乱の引き金になった可能性
反乱の動機について、プリゴジン氏は「国防省がワグネルを解体しようとした」などとも話しています。
“プリゴジンの乱” 軍高官も関与か

日比キャスター:
さらに、プリゴジン氏の反乱には、ロシア軍の高官も関与していたのではないかと言われています。プリゴジン氏に近い関係にあるという、ロシア軍の副司令官、セルゲイ・スロビキン氏が「数日間連絡が取れず、拘束されている」と、複数の関係者が明らかにしたとイギリスメディアが報じました。
スロビキン氏はプリゴジン氏から事前に“反乱計画を伝えられていた”とみられています。ただ、ロシアのペスコフ大統領報道官は、スロビキン氏の拘束について、「コメントできない。国防省に聞いてほしい」と発言を避け、公式の見解は示していません。

笹川平和財団 畔蒜泰助氏
「反乱に関与し逮捕されたとしたら、軍内部の大きな亀裂となる。今後の戦況にも影響を与えかねない」
井上キャスター:
ロシアはロシアにとって都合のいい情報しか出さない。戦争が始まってから西側諸国もロシアの状況をなかなか掴み切れない状況がある。その中で、こういう情報一つ一つをどこまで額面通り捉えていいものなのか。「今後の戦況に影響を与えかねない」とずっと2年間言われてきましたが、実際そんなに変わってきてはいない。この状況を含めて、どう捉えればよいのでしょうか。
高橋氏:
「ワグネル」と軍の間に確執があったのは事実で、特にその指揮系統が2つにわかれていることの問題がありましたから、これで「ワグネル」が軍に編入されることになるとロシアにとってプラスになる可能性が高いです。
一方で、スロビキン氏がもし仮に逮捕されるようなことになると、スターリン時代にソ連陸軍が大粛清を受けたことがあって、ロシア軍の司令官はそのことを当然知ってますから、政治に対する不安を持つようなことになると、ますますロシアの戦いは難しくなっていくのではないかと思います。ただ、戦争そのものが終わっていく力になるかどうかというと、まだ今はそこまでのパンチ力はないのかなと思っています。
井上キャスター:
長い目で見ると、小さな起点になりうるという可能性を秘めているということですね。