ロシアで反乱を起こし隣のベラルーシに逃れた民間軍事会社「ワグネル」の創設者・プリゴジン氏が一時帰国した可能性が指摘されています。防衛省・防衛研究所の高橋杉雄さんに詳しくお聞きします。
プリゴジン氏 ロシアへ?

日比麻音子キャスター:
反乱を起こした民間軍事会社「ワグネル」創設者のエフゲニー・プリゴジン氏について、一時はベラルーシのルカシェンコ大統領も「ベラルーシにいる」などと発言をしていましたが、新しい情報が入ってきました。
米「戦争研究所」
「ロシアに戻った可能性がある」
プリゴジン氏のビジネスジェット機がモスクワを経由して、サンクトペテルブルクへ向かったとみられているんです。ただ、このジェット機に本人が乗っていたかどうか、確かな情報はありませんが、ロシアに戻った可能性が指摘されています。
井上貴博キャスター:
これだけの反乱分子であるプリゴジンさんに対して、プーチン大統領の今までの行動を見ていて、もっと強く対処してもいいものなのかなと思うんですけど、言葉遣いが適切か分かりませんが、「泳がせている」というか、プーチン大統領はプリゴジンさんのことを今後まだ「利用できる」と思っているということなんでしょうか?

防衛省 防衛研究所 高橋杉雄氏:
そうだと思います。戻ってきたかどうかの真偽は不明ではありますが、プリゴジン氏は「ワグネル」だけを持っているわけではなくて、企業グループの中でフェイクニュースの専門会社なども持っています。今回の戦争中、あるいは西側に対する世論工作などを含めると、まだプリゴジン氏の力が必要な状況はあると言えるんだと思いますね。
井上キャスター:
プーチン大統領にとって、プリゴジン氏は少し怖い存在なんでしょうか?
高橋氏:
プリゴジン氏はプーチン大統領とは長い付き合いで、“闇”の部分についても知っていると言われていますから、ある種の秘密をバラされたら怖いというのも、おそらくあると思います。

産婦人科医 宋美玄氏:
プリゴジン氏の反乱は大ニュースだったと思うんですけど、これでプリゴジン氏に利用価値があったりとか秘密を握ってるとかがあったりしても、ちゃんと粛清というか、対応を厳しくしないと、他の人たちが反乱しやすくなるといったことはないんでしょうか?
高橋氏:
利用価値があるからこそプーチンと取引ができるというところがあるので、それだけの力がないとなかなか難しいでしょうね。何の力もなく反乱を起こしてもただ粛清されるだけだと思います。プーチン大統領自身が利用価値を感じてるということが必要なんだと思います。
宋氏:
この反乱に乗じてウクライナが反撃しやすくなるとか、戦争全体への影響というのはあるのでしょうか?
高橋氏:
特に、南部軍管区のロストフ・ナ・ドヌーにあった司令部が占拠された時期がありますから、その時期にウクライナ軍がある程度前進できたのは事実です。これから先のことはまだよく分かりませんが、あの反乱から数日間でウクライナがかなり体制を立て直していれば、反転攻勢が成功する可能性はあります。