全日本柔道連盟(以下、全柔連)は29日、講道館(東京・文京区)で記者会見を行い、来年7月に開幕するパリ五輪の日本代表内定者を発表。東京五輪で史上初となる兄妹同日金メダルを獲得した男子66キロ級の阿部一二三(25・パーク24)と女子52キロ級の阿部詩(22・パーク24)、世界選手権3連覇の女子48キロ級の角田夏実(30・SBC湘南美容クリニック)、5月の世界選手権70キロ級女王・新添左季(26・自衛隊体育学校)の男女4人(個人代表)が選ばれた。
五輪王者の阿部一二三は今年5月の世界選手権でライバル・丸山城志郎(29・ミキハウス)と激突。2年連続、決勝で丸山に勝利し、連覇を果たしていた。妹の詩も世界選手権で連覇を達成。東京五輪に続く兄妹での金メダル獲得を狙う。
女子48キロ級の角田は、初の五輪代表入り。世界選手権で3連覇を達成し、圧倒的な強さを証明した。角田は、今年9月中国・杭州で行われるアジア大会の代表にも内定している。
女子70キロ級の新添も初の五輪代表に。昨年の世界選手権では3位、今年は優勝を果たすなど、国際大会で安定した力を発揮している。
五輪本番の1年1か月前の代表内定は、柔道史上最速。4人は5月に行われた世界選手権でいずれも金メダルを獲得していて、同階級2番手以下との差が明白になったとされ、内定した。早期内定制度は、五輪本番までに十分な準備期間を設けることを目的としている。
会見で全日本男子の鈴木桂治監督(42)は「選手全員が金メダルを目標にすると思う。この目標を達成するための時間をしっかりと作っていきたい。環境も含め、我々でできる限りのことを提供していく、そして一緒に戦っていく」。全日本女子の増地克之監督(52)は「選手たちは金メダルを目指している。プレッシャーがかかる五輪の舞台で自分の力を最大限発揮できるように、残りの期間しっかり準備していきたい」とパリ五輪への決意を述べた。
パリ五輪は来年7月26日に開幕。柔道は7月27日から8月2日まで、男女1階級ずつが毎日行われ、8月3日に混合団体が実施される予定。
■パリ五輪 男子日本代表内定者
▽66キロ級 阿部一二三(25・パーク24)
■パリ五輪 女子日本代表内定者
▽48キロ級 角田夏実(30・SBC湘南美容クリニック)
▽52キロ級 阿部詩(22・パーク24)
▽70キロ級 新添左季(26・自衛隊体育学校)