ウクライナのダム決壊による洪水の影響は今、どうなっているのでしょうか。

ヘルソン市内は今も攻撃が非常に激しく、砲撃の恐怖と隣り合わせのなかで住人の方々は洪水被害・再建と向き合っていかなくてはならない、という非常に厳しい環境に直面しています。

そして、このダム決壊の影響は非常に多岐に及んでいます。

一見、川に見えるかと思いますが、ここ一帯は農地だったということがわかると思います。ドニプロ川の支流からは500~600メートル離れていますが、この一帯も洪水が発生し、作物は流されてしまいました。

きょう、農家の皆さんに話を聞きましたが「本来であれば、あと2週間後に小麦の収穫を控えていた」ということです。去年はこの辺り、ロシア軍の攻撃によって農地が焼かれてしまい、今年こそはと思っていた矢先の洪水被害。「次はどんな苦しみが待ち受けているのか。終わりの見えない軍事侵攻の中、もう何もかも諦めたくなってしまいます」という悲痛の声に胸が痛みます。

被災地域ではほかにも、油の流出によって井戸の水が汚染され、飲料水へのアクセスが途絶えているなど深刻な問題も起きていますし、ほかの産業や環境へのダメージも甚大です。

日本は先日、浄水装置などの新たな支援策を発表しましたが、今後も軍事侵攻が続くなか、新たに生じる問題への速やかな対応が期待されます。