■東京なら130万円台!軽EVで買いやすく

5月20日、日産自動車が発表したEV=電気自動車の「サクラ」。
「軽自動車」のEVです。EVも一定のモーター出力(自主規制)や車体サイズの要件を満たすと「軽」とされます。
「サクラ」の航続距離は約180キロで、通勤や買物など日常使いが想定されています。EVならではの重いバッテリーを積んでいるものの、車体の下に配置することで、揺れの少ない安定した走りが可能になりました。
エンジンと比べてモーターは回転数が低い状態からでもすぐに強力なパワーを発揮します。記者も試乗しましたが、坂道などでも力強い発進ができました。「軽は走り出しが弱い」というイメージを良い意味で裏切られました。
また、ガソリン車のような細かい揺れが少なく、なめらかな走りが印象的です。
この軽EVの価格は国の補助金を使うと約178万円。さらに東京では45万円の補助金が出るため130万円台になるなど、ガソリン車並みの価格で買える地域もあります。

一方、日産と資本提携している三菱自動車も補助金を使うと184万8000円の軽RV「ek クロス EV」を発表しました。こちらも東京都の補助金が適用されると130万円台になります。日産「サクラ」と同じく、岡山県の「水島製作所」で作られたものですが、外観や細かな機能が異なります。
国内販売のうち、実は4割が軽自動車。大きなシェアを占める軽に焦点をあてることで、日本のEVシフトを後押しできると両社は意気込んでいます。
■トヨタは月額8万8000円!なぜサブスクに?

同じく5月。トヨタ自動車もEV「bZ4X」の販売を開始しました。個人向けにはサブスク=月額払いのみの販売となります。月額利用料は実質8万8220円(保険料・税金等含む)からで、5年目以降は料金を段階的に安くするとしています。
10年間の月額利用料は約869万円。ただ、別に77万円の申込金が必要です。
なぜ、サブスクという形にしたのか?EVは、バッテリーの劣化で中古車として売る際に価値が下がるとされていますが、月額払いのサービスで提供することで、中古車として価格が下がる不安を持たずに乗ってもらう狙いです。
■EVの普及率1%未満 日本が遅れるわけとは
日本の“EV元年”といわれる今年。新車が次々に投入されていますが、それでも日本では新車販売台数全体のわずか1%未満にとどまっています。ガソリン車に比べるとまだまだ高いことなどに加え、ネックとなっているのが充電。

フル充電で250キロ走れる一般的なEVでは、東京から約700キロ離れた青森に行く場合、途中で2回の充電が必要です。1回の充電時間は約30分だとすると、2回の充電でかかる費用は1000円程度。ただ、旅先で充電スタンドをうまく見つけることができるのかが気になるところ。