衝突という最悪の事態が回避されたことで、国営テレビはプーチン氏のリーダーシップを強調しましたが、主要紙のなかには「プーチン政権の権力構造に弱点が見つかった」と指摘するところも出ています。

今回の反乱は、政権による統制が十分に効いていないことを国内外に知らしめる結果となりました。

反乱のもとをたどれば、政権が侵攻を続けるにあたり、兵員確保を、国民の反発が大きい動員ではなく、ロシアで違法な存在であるはずのワグネルに頼ってきたことがあります。

プリゴジン氏がショイグ国防相らを批判するのを政権は黙認し、保守層らから一定の支持を得たことでプリゴジン氏が増長してきた側面もあります。

プーチン氏は、一度は「祖国への裏切り」と断罪しながら、一転してプリゴジン氏との条件交渉に応じた形で、威信に傷がついたとの見方も強まっています。

プリゴジン氏は撤収後、所在不明となっていますが、ロシアメディアは、武装蜂起を起こしたとする捜査はまだ続いていると報道。

政権側は、プーチン氏が26日、イラン大統領らと相次いで電話会談し、反乱への対応に支持を得たと強調したほか、更迭などの憶測も出ていたショイグ氏の動画を公開することで、軍の引き締めを図るとともに国民の動揺を抑えたい狙いも伺えます。