静岡市の市民スポーツがピンチを迎えています。2022年の台風で被災した安倍川河川敷のスポーツ広場が6月の記録的豪雨によってさらなるダメージを受けました。市は復旧を急いでいますが、実は人気の一大イベントが障害になりかねない状況です。いったい何が?
6月24~25日、老若男女を問わず、川沿いのグラウンドには、はつらつとした声が響いていました。静岡市の安倍川河川敷に広がるスポーツ広場。市民スポーツの大会や試合などで年間31万人が利用する、いわば市民スポーツの聖地ですが、いま危機的な状況に陥っています。
<利用者>
「本当は来週も試合の予定があったが、グラウンドが使えなくなってしまい延期となり、9月以降に持ち越しになってしまったので残念」
「ここが使えることはありがたいけど、他の土でやるスポーツは(グラウンドが使えず)気の毒かなと思う」
そもそも危機的状況をもたらしたのは2022年の台風15号です。安倍川があふれんばかりの大雨をもたらした台風15号によって、安倍川河川敷のスポーツ広場は33か所のうち19か所が使用不可に。被災した19か所は7月中には全面復旧する予定でしたが…。
<静岡市スポーツ振興課 伊藤勝宏係長>
「ここは弥勒スポーツ広場。台風15号で被災したところだが、復旧作業を進めていたところ、今月2日の台風2号の大雨で被害を受けて、その復旧作業をしている」
追い打ちをかけたのが6月初旬の記録的豪雨です。22年に被災した19か所のうち、復旧が完了していた4か所、復旧作業中だった10か所のあわせて14か所が6月の台風2号により再び被害を受けたのです。当然ながら市民スポーツには大きな影響が出ています。
<静岡市スポーツ振興課 伊藤勝宏係長>
「ソフトボールでは、高齢者を中心としたチームは活動自体できないということで存続が危ぶまれて解散してしまったという話もある。市外のグラウンドを使って活動しなければいけず、移動の負担がかかっている話を聞く」
広場が使えないことで市のサッカー協会の大会が中止になったり、市内のリーグ戦は試合数を減らしたりする状況だといいます。市は復旧を急いでいますが、ここにきてある問題に直面しています。
7月22日に予定されている安倍川花火大会。来場者40万人を見込む夏の一大イベントです。もし、花火大会までに復旧工事が終わらないと、各地で工事は一時中断に。場合によってはグラウンドが使えない時期が延びてしまう恐れが浮上しているのです。
<静岡市 難波喬司市長>
「どんなことがあっても間に合わせないといけないので、間に合うように緊急的に整備を進めている」
市民がスポーツを楽しむ機会をいかにして確保していくのか。静岡市は安倍川花火大会までには復旧工事が完了するよう、急ピッチで作業を進めています。
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