中国出身の世界的なアーティスト蔡國強(さいこっきょう)さんが手掛ける「昼花火」が、福島県いわき市の海岸で26日に打ち上げられました。その数、4万発です。

いわき市四倉町でかつて暮らしたことがある蔡國強さんは、いわき市に打ち上げられた廃船をアートにしたり、北京オリンピックの総合演出を手掛けたりなど、世界的なアーティストとして知られています。第二のふるさとに恩返ししたいと、四倉海岸で昼花火プロジェクトを立ち上げました。

花火を前に海岸には、多くの地元の人や子どもたちが駆け付けました。テーマは「大自然への感謝と平和」。まずは、震災で被害にあった人たちへの鎮魂の花火。さらに、復興への願いを込め、希望にあふれる「満天の桜」を咲かせるなど4万発の花火がいわきの空を彩りました。

地元の人「素晴らしいですね。四倉を忘れないという思いがうれしいです」
地元の児童「きょうの花火は見たことがなくて、サクラみたいなのがとてもきれいでしたもう1回見たいです。」
蔡さん「花火は大成功、風もいいし天気も良くて本当に恵まれたという気持ちでいっぱい。鎮魂と希望です。最後のきれいな満天の桜はやっぱり未来の希望と子どもとのコラボレーションですね。」

今回のプロジェクトには、地元の多くの人たちの支援がありました。その中心となったのが、志賀忠重さんです。震災後、いわき市に蔡さんと共に回廊美術館を建設し、「万本桜プロジェクト」を立ち上げました。

志賀さん「良かったですね。準備がけっこう時間がかかりました。」

蔡さんはこれからも、復興の願いを込めて、第二の故郷いわき市でも創作活動を続けていきたいと話しています。