富士山の世界文化遺産登録10年を記念して、山梨・静岡両県による式典が行われました。

山梨県の長崎知事はあいさつで富士山の価値と環境の維持のためにも、麓と五合目を結ぶ富士山登山鉄道構想の必要性を強調しました。

東京都内で行われた記念式典には山梨、静岡両県の知事をはじめ、関係者約400人が出席して登録10周年を祝いました。

主催者の1人として挨拶に立った山梨県の長崎知事は、登録10周年を機にイコモスが指摘する環境や景観の改善といった課題解消に向け、取り組みを加速させたい考えを示しました。


山梨県 長崎幸太郎知事:
普遍的な価値と環境を維持し、後世に継承していくため登山鉄道構想含め、グローバルな視野のもと、富士北麓のあり方について幅広く検討したい。

このように述べ、改めて県が検討を進めている富士山登山鉄道構想の必要性を強調しました。


長崎知事:
地元の一部において異論もあるわけですが、異論が出ること自体が富士山をどう保全していくのか、極めて重要な議論の始まりだと認識していて、しっかり議論を積み重ねて集合知を形作っていきたい。

このほか、式典では山梨・静岡両県が連携して富士山の古からの価値を守りながら世界で最も優れた地域を目指す共同宣言が発表されました。