食材の高騰が給食にも影響を与えています。メンチカツは肉を減らして豆腐やキャベツを。ハンバーグは豆腐を使ってたんぱく質をキープ。栄養バランスを取りながら材料費を下げるため、各地の学校でギリギリの調整が続けられています。
■“手頃な”ラーメンに値上げの波…麺もチャーシューも「全部値上がり」

麺の上に惜しげもなくもやしを乗せ、さらに分厚いチャーシュー。その上には背脂を豪快にトッピング。濃厚スープが自慢のラーメン(870円)です。しかし今、店長は頭を抱えています。
ラーメン宮郎 本柳蓮店長
「醤油もみりんも全部値上がりしている」
この店の場合、値上げの幅は2021年に比べ、麺に使う小麦が27%、スープなどで使う醤油が25%、チャーシューの豚肉は21%となりました。また、玉ねぎにいたっては去年の2倍以上。無料でトッピングできるニンニクも30%アップです。

さらに、電気代やガス代など光熱費の値上げも大きな痛手となっていることから店長は4月に麺類を30円値上げする決断をしました。
ラーメン宮郎 本柳蓮店長
「ラーメンって安い食べ物というイメージがある、そう思っている人も多いので、この値段で最大限に美味しいものをだして頑張っていきたいと思う」
各地でラーメンの価格が上がっていることに客からは…
男性客
「これまでは手頃に行けたが、なかなか行きづらくなってくるかなって」
「安ければ安いほどいいが、これで店が成り立たないようであれば値上げもやむなしかなと。できれば1000円以内がいい」
■給食もピンチ!メニュー作りに試行錯誤…
埼玉県川口市。小学校の給食も値上げの影響を受けています。調理するのは毎日数百人分。食材の値上がりは学校にとっても悩みのタネです。
小学校の栄養士
「給食に今まで使えていた食材が安易に使えなくなったとか。値上げはない方がいいんですけど…」
この学校ではあまり値上がりしていない食材を探したり、本来とは別の食材で代用したりして、毎日の給食を作っているそうです。
6年生の児童
「給食美味しかったです。きょうは厚焼き玉子が一番美味しかったです」
「給食は幸せになれる時間です。今のメニューにも満足しています」
さらに給食は、たんぱく質やビタミンの量など栄養の摂取基準が文部科学省に決められているため、食材費の節約は簡単ではありません。
小学校の栄養士
「1つの献立を仕上げるのに、長い時間をかけて色んなところの意見を聞いている。本当に大変。そんなに簡単なものではないですね」
ある公立中学校で出た給食をみてみると、ご飯、けんちん汁、サラダ、牛乳に加えて、これまではメインに牛肉と豚肉のハンバーグがありましたが、4月は節約のため鶏のひき肉と豆腐のハンバーグになりました。
肉の量が減ったぶん豆腐を使う事で、たんぱく質の摂取目安をクリア。1食あたり10円から15円ほど安くなったそうです。
メンチカツは肉を減らし、その代わりに大豆や旬のキャベツを使っています。目標の栄養価だけでなく、満腹感も得られる工夫です。
メニューを考案した栄養教諭
「色んな調理法、料理が出てきた時に楽しみだと思う子にしたい。今後も美味しい給食を出していきたいと思うので、お金が無いからといって削ってしまった料理は出したくない」