その1つは、シラスウナギを1年以上かけて養殖し、出荷する方法です。「単年養殖」に対して「周年養殖」と呼ばれています。1年以上前から養殖しているため、今回の不漁は大きく影響しませんでした。


また、海外での加工生産にも目を向けています。


イオン宇品店 藤原彰布水産マネージャー
「年々、『中国産も全然、おいしいよ』というお客さまも増えて、ことしは中国産も売り上げが伸びるのではないか」


さらにネットスーパーの利用も呼びかけ、価格を抑えていく考えです。


藤原彰布水産マネージャー
「ネットスーパーで5尾セットを買っていただくと、なんと1000ポイント。1尾買うより断然、お得なので、ぜひネットスーパーを活用いただければ」


年間のウナギの売り上げの4割を占めるという「土用の丑の日」。新たな商品として、切り分ける手間を省いた「切り落とし」や、スタミナメニューをアピールした「鰻とろろ丼」を提案するなどして、ウナギ商戦に備えています。


― 「単年養殖」と「周年養殖」の話がありました。今、品薄になっているのは、養殖期間が短い単年養殖の方です。去年11月から1月にかけて不漁だったからです。


市場関係者によりますと、単年養殖の方が身がやわらかいということで、消費者は単年の方を好む傾向があるということでした。来年以降を考えると、周年養殖の方も量が少なくなるかも知れません。


― ニホンウナギの生態は今もわかっていないことが多いのです。たとえば産卵場所。実は、産卵しているのは、日本から2000キロも離れたマリアナ諸島付近の海域です。これがわかったのは、研究を始めて36年たった2011年のことです。およそ10年前にようやくわかったことになります。わかっているのは、単年養殖のウナギは、ことしは高くなりそうだということです。