アメリカがベトナム戦争から撤退するきっかけのひとつとなった国防総省の機密文書、いわゆる「ペンタゴン・ペーパーズ」をメディアにリークしたダニエル・エルズバーグ氏が亡くなりました。92歳でした。
1931年、中西部シカゴで生まれたダニエル・エルズバーグ氏は、シンクタンク「ランド研究所」での勤務を経て、国防総省や国務省などで働き、戦争下のベトナムにも派遣されました。
1967年「ランド研究所」に戻ると、後に「ペンタゴン・ペーパーズ」と呼ばれるベトナム戦争にいたる政策決定の経緯や戦況の分析をまとめた、およそ7000ページにわたる国防総省の極秘文書の作成に従事。1971年、ニューヨーク・タイムズなどにこの文書のコピーをリークしました。
これにより、アメリカの歴代政権が泥沼化する戦況を隠しながら戦争を拡大していたことが明るみになり、米軍撤退につながるきっかけのひとつとなりました。一連の出来事は映画のモデルにもなっています。
エルズバーグ氏自身は、機密漏えいの罪などで起訴されましたが、公訴は棄却されました。
エルズバーグ氏の家族の発表によりますと、エルズバーグ氏は16日、カリフォルニア州の自宅で膵臓がんのため亡くなったということです。92歳でした。
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