◆相次ぐ幼児の“置き去り死”を受けて義務化

今年4月から設置が義務付けられた安全装置。警報音によって車内点検を促したり置き去りを検知して知らせたりする仕組みです。福岡県中間市と静岡県の保育施設で車内に置き去りにされた幼い子供が相次いで命を落とした事故を受け義務化されたもので、国は、暑さが本格化する今月末までの設置を努力目標としています。福岡県によりますと、5月中には送迎バスを運行している県内のすべての私立幼稚園が購入にかかる費用の補助金申請を終えました。しかし設置が間に合わない園が相当数出る見通しです。直方市のこの園では車内の確認や休みの園児の情報の共有など、当面は、マンパワーで置き去りを防ぎたいと話します。
清永副園長「暑くなる前には設置したかった。半導体が届かないことには仕方ない。改めて私たちの人間の力でしっかり子供の安全を確認してというのを心がけたい」
◆部品不足で納期遅延、メーカー「材料をかき集めている」

製造するメーカーも頭を抱えています。久留米市にある電子機器の開発・製造会社。今年4月、開発した安全装置が国のガイドラインをクリアし、計50個ほどを受注しました。しかし、部品の不足は半導体だけにとどまらず今月中に納品することは難しいといいます。
コックス廣瀬太朗取締役「6月中にお客様に届けようと動いているが、なかなか機材の入手状況等で遅延しかねないのと、これから受注が増えた場合、納期が長引く可能性が若干ある」
一刻も早い納品を求める切実な声についてはこう話します。
廣瀬取締役「致命的ではある、弊社の製品を買っていただけるという話があっても材料がなく対応できないということになれば、結構大きな問題。どうにかお願いしますと、お願いされている状態です。どうにかこうにか材料をかき集めてはいます」
夏本番を前に、保育の現場には国の設計図どおりに進まない「誤算」を乗り越え、子供たちの命を守る対応が求められています。














