「砲撃する前に防御側のドローンを潰さないと前進できない」
その昔、青銅の剣で覇権を握ったエジプト軍は、鉄の剣を戦場に持ち込んだヒッタイトに敗れた。
最強と言われた武田の騎馬軍は、織田の鉄砲部隊に敗れた。歴史上、戦場での戦い方を変える武器があった。現在、ドローンがまさにそれだと言うのは、元陸自・山下裕貴氏だ。

元陸上自衛隊 中部方面総監 山下裕貴氏
「(今戦場には)あらゆるドローンが飛んでるわけです。大型中型小型…。で情報によりますとウクライナ軍は後方地域に3Dプリンター持ってて、民生品のドローンに3Dプリンターで作った色々なアタッチメントを装着して(武器化して)飛ばしている。今、戦い方が変わった具体的な例は、攻撃する場合今までは、砲兵が敵陣地を攻撃して、それから前進するんですが、今は砲撃する前に防御側のドローンを潰さないと前進できない。(上から)全部見られてるわけですから。だからまずドローンを潰す“ドローン対応”が必要。(潰しても潰しても次々飛んでくる)飽和攻撃してくるドローンに対して、多層的防御システムを作る。例えば大型の偵察及び自爆ドローン、これに対してはミサイルで撃ち落とす。中型で破壊力があるのが陣地に飛んできた時は装甲車機関砲にレーダーシステムを組み合わせて撃ち落とす。小型がいっぱい飛んできたら、指向性エネルギー兵器、今開発中のレーザーだったり、妨害電波で無力化したり…。妨害電波も周波数を変えていろいろやる。ネット式の捕縛兵器造ってる会社もある。発射すると網が広がって一網打尽…。それから妨害電波を一極に集中して出し続ける銃だったり、それをかわすドローンが出てきたり、イタチごっこですよ」
ドローンの使いようと、ドローン攻撃への対策は各国の軍が急ピッチで進めている課題だという。答えはまだ見つかっていない。
(BS-TBS 『報道1930』 6月13日放送より)














