13歳の時、精神疾患もないのに同意なく精神科に入院させられたとして、18歳の男性が東京都などに賠償を求めている裁判で、男性が意見陳述を行い、こうした入院を認める法律は憲法違反だと訴えました。

訴えによりますと、男性(18)は13歳だった2017年、意に反して都内の児童相談所によって一時保護され、精神保健福祉法に基づき、母親の同意のもと精神科に「医療保護入院」させられました。

部屋は外から施錠され、携帯電話なども取り上げられたということです。

男性は入院前に母親から暴力を受け、児童相談所に一時保護されましたが、施設の対応に不信感をもったことから無断で帰宅していて、「医療目的ではなく、脱走対策で入院させられたのではないか」としています。

男性は入院の措置は憲法などに違反するとして、都などに賠償するよう求めています。

きょうの裁判で、男性は意見陳述を行い、「罪を犯した人でも逮捕・勾留するには裁判所の令状が必要だ」「なぜ、医療保護入院ではハードルが下がるのか」と訴えました。

代理人の倉持麟太郎弁護士は、裁判後の会見で「日本の精神科病院では身体拘束が多く、乱用される背景には制度の問題がある」と指摘しました。