飲食や観光など、コロナ禍で打撃を受けた業界にも徐々に回復傾向が見られてきています。
ブライダル業界もそのひとつで、中止や延期、規模の縮小などが相次いでいた結婚式ですが、コロナ前の状態に戻ってきたといいます。
現状を取材しました。


松本市にある結婚式場。

週末に挙式を控えたカップルが、打ち合わせに訪れていました。

松川村に住む、山本健太郎(けんたろう)さんと香純(かすみ)さんの夫婦。

もともとこの式場のスタッフだったという2人は、息子のはるとくんが5か月を迎えたタイミングで、結婚式を挙げることにしました。

披露宴の会場には、長いテーブルとたくさんの椅子。

親戚や友人など、およそ90人のゲストを招く大規模な結婚式です。

2人が式の計画を始めたのは、2022年の10月ごろ。

この間に、新型コロナを取り巻く状況は大きく変わってきました。


■新婦・山本香純さん
「コロナにもし自分たちがなったらとか、やっぱり両親がなったらとか不安な気持ちはありましたけど、5類になったのも受けて、少し気持ちの面でも楽になったというか。やっぱり結婚式やるなら大勢の方にいらしていただきたいなと思っていたので」                                                         

■新郎・山本健太郎さん
「僕は北海道出身で、東京の大学で育ってるので、本当にみんなバラバラで全然会えてないので、それがみんな会えるっていうことはすごく貴重なことだし、すごく楽しみにしてます」

式場によると、新型コロナの影響が最も大きかった2020年には、式の件数は、前年の3割まで激減。

ゲストなしでの式やリモートでの参列などもあったといい、招待客が70人を超えるような規模の大きい式は、少なくなったといいます。


結婚情報誌の調査でも、コロナ禍前の招待客の平均は60人を超えていましたが、2021年と2022年は40人余りと大幅に減っています。

ただ、需要は回復傾向。


経産省の調査によると国内の結婚式場の取扱件数は、2022年度、コロナ禍前の9割以上まで戻ってきています。

■プリオホールディングス 星野大輔部長
「昨年の秋頃から、結婚式をやる方々が戻ってきました。今までは結婚式ってやっぱ挙げるものだから挙げようっていう方々が多かったんですけど、今はこのコロナを経て、結婚式をやりたいから挙げるっていう方々が多くなってきてるなっていうふうに思っています」

6月10日、県内外から大勢のゲストも集まり、山本さん夫婦の結婚式が行われました。

チャペルでの挙式のあと会場を移して披露宴と、全部で3時間半ほどのスケジュールです。


挙式を終えると、ゲストは披露宴会場へ移動、というのが通常の流れですが…