◆「日章丸事件」乗組員に聞く

現在の五代目となる日章丸の乗組員に、日章丸事件について聞いた。

佐々木機関長「積み荷もそうですし、何も保障されていない中で、よくもあそこまで、イランのアバダンまで行って原油を積んで日本に帰ってきたと思いますね。怖かったと思いますよ。当時、船が座礁しかけたという話がありますよね、機関長も船長も大変だったと思いますよ」

◆“国民のためになることを”

松本船長「当時の新田船長はすごく厳しい船長だったと、記録には書いてある反面、乗組員から嫌われているようなことは全くありませんし、信頼されていました。だからこそ、行き先がアバダンに変わっても、どの乗組員からも苦情も出ずにみんな一致団結して乗り切れたと思うんですよね。やはり、国民のためになることをするんだという精神なんじゃないかなと思いますね」