キャリアそのもの 20年間踊り続けてきた最高の“ボレロ”を
東京バレエ団のゲスト・プリンシパル・上野水香さんの岡山シンフォニーホール公演が、いよいよ6月18日に開催されます。
〈上野水香 オン・ステージ〉全国ツアーへの意気込みや、バレエダンサーとして踊り続ける理由などを、千神彩花アナウンサーがインタビューしました。
【上野水香さんプロフィール】
東京バレエ団 ゲスト・プリンシパル。12月23日鎌倉生まれ。
5歳よりバレエを始め、1993年「ローザンヌ国際バレエコンクール」でスカラシップ賞を受賞した後、モナコの「プリンセス・グレース・クラシック・ダンス・アカデミー」に留学、首席で卒業。
1995年 牧阿佐美バレエ団入団。
2004年 東京バレエ団にプリンシパルとして入団。
2022年 文化庁の芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。
2023年より東京バレエ団 ゲスト・プリンシパル

(千神アナウンサー)
「今回の6月18日〈上野水香 オン・ステージ〉の公演では、『ボレロ』がかなり見どころになるかと思うのですが、あらためて公演内容を教えてください」

(東京バレエ団ゲスト・プリンシパル 上野水香さん)
「一番メインが『ボレロ』ですが、15分の作品でそれ1本という訳にもいかないのです。〈上野水香 オン・ステージ〉という名前の舞台で冠公演なので、とにかく私が踊りすぎなくらい踊ります。すみません。何度も出てきます(笑)」
(千神アナウンサー)「かなりいろんな作品をされるということなのですが、他にはどのような演目をされるのですか?」
(東京バレエ団 ゲスト・プリンシパル 上野水香さん)
「古典も踊ります。いわゆる『眠れる森の美女』クラシックバレエの名作ですね」
「あとは、ローラン・プティという、ベジャールさん(『ボレロ』の振付家)と同じくらいの偉大さを持ったフランス人の振付家の作品です。プティさんとも、仕事をして、たくさんレパートリーを踊らせていただいているので、すごく自分のキャリアにとって大切な作品がたくさんあります。やはりプティさんのものも、この冠公演には、絶対入れたいと思っていました」
(千神アナウンサー)
「今回、演目は上野さん自身が決められているのですか」
(東京バレエ団 ゲスト・プリンシパル 上野水香さん)
「踊る演目は、私が決めています」
(千神アナウンサー)「やはりその中でも『ボレロ』には、特別な思いがありますか?」
(東京バレエ団 ゲスト・プリンシパル 上野水香さん)
「『ボレロ』は、東京バレエ団に入ってから20年間踊り続けていて、多分どの作品よりもたくさん踊っています。東京バレエ団のキャリアそのものだと言えるぐらいだと思っています」
(千神アナウンサー)
「ラベルが作曲した『ボレロ』という曲に、20世紀のバレエの巨匠モーリス・ベジャールが振り付けをしています。日本人の女性では、上野さんだけが踊ることを許されている演目ですよね」
(東京バレエ団ゲスト・プリンシパル 上野水香さん)
「最初に、バレエ団の佐々木代表がビデオを私に渡して、覚えてきてみたいな感じでした。覚えたものをスタジオで踊り、映像で収録したものを振付家のベジャールさんご本人に送って、そしたら『やっていいよ』ということに。それで許可をいただきました」
「その後、ご指導を直接いただく機会もあり、ものすごく熱いご指導をいただきました。ベジャールさんも、その当時あまりお体が健康じゃなくて、あまり元気もなくいつも座っているのに、私に指導してくださるときは突然立ち上がって、指導を始めたと言って、周りの方がびっくりしたくらいです。すごく熱のこもった指導をしてくださって、終わった後に『素晴らしい。すごくいいボレロになると思う』というふうに言ってくださいました」
「振付や作品自体が、『ボレロ』の音楽そのものというか、音楽を見るものとして形にしたら、最上の形だと私は感じています。あの音楽に振付する方はいっぱいいますが、ベジャールさんのものが本当に、多分最上の形で踊りになっていると私は感じています」














