「2年が経ちますね。私は、”あの方”がどのような状況で介護をされていたのか知りたかった。妻は77歳、私は83歳でしたからね、うちも老老介護だったので…」

そう話すのは、広島市安佐北区に住む山田夏樹さん(85)です。

「老老介護」とは、一般的に、介護をする側もされる側も65歳以上の状態のことをいいます。

(山田さん)
「私の妻は、60歳のころに若年性アルツハイマーと診断され、それから20年ほどが経ち、おととし亡くなりました。亡くなる6年ほど前から『要介護5』の認定を受けていました。寝たきりで会話もできない、好きだったカラオケも忘れていきました。102歳まで生きた母の介護も同時にやっていた時期もあり、横並びのベッドに横たわった2人の世話をするのは大変でしたが、”あの方”も本当に苦労されとっちゃったんだろうなと思います」

山田さんが言う「あの方」とは、同じく広島市安佐北区に住んでいた、村武哲也さん(当時72)のことです。

(山田さん)
「あの方は、今はどうされとるんですか?」

(記者)
「事件についての判決を受けた後の秋に、お亡くなりになったと聞いています」

(山田さん)
「そうですか…。事件についての新聞記事を読んだとき、私とあの方は、状況に差はあったかもしれないけど、何も違わないんじゃないかと思っていました」

山田さんのいう事件とは…。