坂部)ご自身の“性自認”についてはどう捉えていますか?
中村さん)生まれつきの体に関しては女性ですし、性自認というのも色々な定義があるので、改めて聞かれると難しいですが、「女性なんだろうな」と思います。
坂部)恋愛感情を抱く時はどう捉えますか?
中村さん)今までお付き合いしてきた人は男性でしたが、今お付き合いしている人は女性です。付き合い始めるまで、自分が「バイセクシュアル」という認識はありませんでした。たまたま男性とお付き合いすることは多かったのですが、学生の頃、女友達という感覚が強かった友達に、手をつないだり、ハグしたり…男性に対してしてもおかしくないようなこともしてました。もし当時、すごく仲の良い女友達から「お付き合いしたい」と言われたら、それを断ることはなかったかもしれないなという感覚があります。
坂部)ご自身のその一面に気づいたのはいつぐらいでしたか?
中村さん)今お付き合いしてる女性に対して「これは友達としての“好き”よりも、今までお付き合いしてきた男性に対して抱いた“好き”にかなり近いんじゃないか」と感じ、「自分ってちょっと変わってる部分があるのかな」というふうに認識した時だと思います。驚いたのと、「相手に受け入れてもらえるのかな」という心配がどうしてもありました。一般的な恋愛告白でも、その恋心を伝えることで今の関係が崩れるのが怖いという不安はあるだろうと思います。それをもっと膨らませたような感覚です。伝えてしまったら普通に友達として見てもらえなくなっちゃうのではないかという気持ちです。
その後、中村さんは、女性に交際したい旨を告げました。
中村さんが、自身の性自認の告白『カミングアウト』をしたのは、この時が初めてです。