「ウクライナがやらせている作戦としか考えられない」
モスクワへの直接攻撃は、ロシア指導部を困惑させる政治的効果、反転攻勢前の陽動としての軍事的効果、ロシア市民を不安にさせる心理的効果・・・、あらゆる面で影響は小さくなかった。
ロシア国内への攻撃は、モスクワだけにとどまらない。ウクライナ国境のベルゴロド州では反プーチン武装グループが複数の地域で戦闘を繰り広げている。さらに南部のクラスノダール地方では、石油関連施設へのドローン攻撃が続く。これら一連の攻撃とウクライナ軍と関連は明確にされていない。

元陸上自衛隊 東部方面総監 渡部悦和氏
「ロシア国内での動きは、ウクライナのダイレクトな指示の下でやっているものではない。原則的にウクライナ側は、そう訴えたい。親ウクライナのあるグループが何かやった時、我々ウクライナは、やってないという。しかし、装備品とか兵站とか、情報の面で助けている可能性は十分にある。強調したいのは、ウクライナが大きな作戦、反転攻勢と言われるようなものをやる前に準備段階として様々なところで色々なことをしてロシア内を混乱させるという作戦がある。ロシア国内に兵力を割かなければならなくなれば、前線のロシア軍の勢力は弱まる…」
東京大学先端科学研究センター 小泉悠 専任講師
「ベルゴロド州での攻撃については、アメリカ製のジープなんかも使われた。さらに1両だけですが戦車もあった。そうなるとアメリカからもらった装備品など本来ウクライナ軍が独占して持っていなければならない軍事装備品を何で持ってるんですかってことになる。つまりウクライナ政府からお墨付きをもらった作戦。もっと言えばウクライナがやらせている作戦としか考えられない。」
効果は確かにあるロシア国内での作戦だが、ロシア市民に犠牲が出始めた時、国際世論はどう動くのか…。一方的に侵略されたウクライナだから支援してきたのに・・・。
東京大学先端科学研究センター 小泉悠 専任講師
「ロシア政府側も核を使うとか総動員かけるとか、手控えてきた来たんですがそれをやる格好の材料になるかもしれない、かなりきわどいところを行ってる。劇薬だと私は思う…」
(BS-TBS 『報道1930』 5月31日放送より)