発射を事前通告、失敗したらすぐ発表…北朝鮮は世界基準に倣っている?

南波キャスター:
今回“異例”だとされているのが、北朝鮮の国営メディアが、すぐにこの失敗を発表した点です。
ロケットというのは打ち上げの際、機体を切り離して身軽になっていかなくてはいけません。
しかし朝鮮中央通信によると、今回は1段目の分離後に、2段目のエンジンの点火が不正常な状態となり推進力を失ったことで黄海に墜落。
宇宙開発局報道官は「今回の発射で『重大な欠陥』が現れた。それを調査・克服し、可能な限り早期に2回目の発射を断行する」と発表しています。

防衛省 防衛研究所 浅見明咲氏:
北朝鮮は2012年の衛星打ち上げのときにも失敗をしており、その際もすぐに「失敗した」と報道しています。
今回もそれに倣った報道だったのではないかと思いますし、発射することも、事前にIMO(国際海事機関)を通して通告していました。
自分たちもそういった世界基準に倣い、国際的な慣例にのっとった行動をしているということで、すぐさま失敗を認めたのではないかとみています。
ホラン千秋キャスター:
発射だけではなく、その失敗までも「北朝鮮は勝手に好き放題やってるのではなく、国際的な秩序にのっとってますよ」というアピールの一つだと?
防衛研究所 浅見氏:
そうですね。宇宙の平和利用という目的、そして宇宙は誰かのものではなくみんなで共有するものだという理解のもとであれば、「自分たちだけが衛星を打ち上げてはいけないということではない」というのが北朝鮮の言い分になります。