中野市で男女4人が殺害された事件で、亡くなった2人の警察官のうち池内卓夫(いけうちたくお)さんの葬儀が31日、行われました。
一方、もう1人の警察官玉井良樹(たまい・よしき)さんはパトカーの中で撃たれた後、車の外でナイフで刺されたとみられることが新たにわかりました。
■伊藤記者
「今回の事件で殉職した警察官池内卓夫さんの告別式の会場には次々と弔問客が訪れています」
中野警察署の池内卓夫さん61歳の告別式が、長野市で開かれました。
県警の音楽隊に長年所属していたという池内さん。
会場には親族や同僚など大勢の人が弔問に訪れ、死を悼みました。
事件は、5月25日、中野市江部(えべ)で近所の女性2人と男性警察官2人がナイフや猟銃で殺害されたもので、近くに住む農業・青木政憲(まさのり)容疑者が、殺人の疑いで逮捕されました。
男性警察官2人は、パトカーの外の運転席側から猟銃で撃たれ、運転席の池内さんは、この銃撃で死亡。
助手席にいた玉井良樹さんは、撃たれたあと車の外に出たところでナイフで刺されていたことが捜査関係者への取材で新たにわかりました。
傷は心臓まで達していて、これが致命傷になったとみられ、警察は、青木容疑者の自宅から血が付いたものを含む複数のナイフを押収して犯行の状況を調べています。
現場にはこの日も犠牲者を悼み献花する人が訪れました。
手向けられた花の数は日に日に増えています。
■長野市から来た男性
「時間があったのでお参りさせてもらおうと思って来た。もう二度とこういうことは起きてほしくない」
一方、地域の学校では、子どもたちへの影響も。
市の教育委員会などによりますと、事件翌日の26日、現場近くの平野(ひらの)小学校では、「眠れなかった」「不安だ」などと訴えた複数の児童が欠席したということです。
また、中野平(なかのだいら)中学校でも、事件翌日に3人の生徒が欠席。
1人がスクールカウンセラーの面談を受けたということです。
欠席した児童・生徒は29日から登校していますが、各学校では、随時子どもたちの心のケアに当たるとしています。