民間企業の採用時期が早期化している影響で、「教員のなり手」の確保が課題となっていることを受け、文科省はきょう、公立の小中高校の教員採用試験の時期を現在の7月から1か月ほど前倒しするよう、各教育委員会に要請する方針を明らかにしました。

大手企業の多くが6月までに内々定を出すなど採用の早期化が進んでいる一方、教員採用試験は大学4年の7月から8月に試験を行っていることから、「教員志望の学生が民間企業に就職先を決めてしまう」という指摘がありました。

これを受け、文科省は教員のなり手を確保するため、試験を前倒しできるかなど、去年の秋から教育委員会や大学と協議会で検討を重ねてきました。

きょうの協議会で文科省は2024年度の1次試験を6月16日に前倒しし、この日を目安として積極的に前倒しでの実施も検討するよう各教育委員会に要請する方針を明らかにしました。

一方、前倒しの影響で問題の作成も早める必要が出てくることから、6月16日に試験を行う場合は文科省が参考として各教育委員会に共通で使用できる試験問題を提供する方針です。

また、一部の教育委員会ではすでに実施されている大学3年時での受験や、試験を1年に「複数回実施」する取り組みについても、文科省は各教育委員会に広めていきたいとしています。