学生の獲得競争が激化か

国は、今の大学3年生の就職活動から、インターンシップに参加した学生の情報を採用選考に利用できるようルール改正を行いました。これまで学業が疎かになるとして認められていませんでしたが、早い段階からキャリア形成を促す方向に舵を切りました。

(学生)「変わったんだったら対応していかないといけないので、夏から参加していきたいと思う」「バンバン参加していかないといけないと思っている」

「採用直結インターン」とも呼ばれるルール変更。専門家は入社後のミスマッチが減るなどのメリットを指摘する一方、獲得競争の激化を懸念しています。

(マイナビキャリアリサーチラボ・東郷こずえ主任研究員)「インターンシップの選考がこれまでより厳しくなってしまうことが起こり得る。低学年の間にある程度自分の(キャリア)思考をちゃんと固めておくとか準備というのが必要になってくる」

人材確保に悩む企業側も模索を続けています。国際物流を手がける大分市の鶴崎海陸運輸。人事課の増羽梨菜さんは4年前、インターンシップに参加したことが入社を志すきっかけとなりました。

(鶴崎海陸運輸 人事課・増羽梨菜さん)「海外から原材料が日本にやってきて、国内の出発地点に立ち会える光景を目の当たりにして、すごくおもしろい仕事だと思った」

企業は興味を持ってくれる学生と早いマッチングを期待

今後、インターンシップが活発になることで、会社では興味を持ってくれる学生と早めにマッチングできると期待を寄せています。その反面、企業間で学生の取り合いの激化も想定。年1回だった採用面接を今年から4回に増やすなど対応に追われています。

鶴崎海陸運輸

(鶴崎海陸運輸 人事部・森尾尚樹課長)「1人ひとりの学生との対話を通じてマッチをする学生をしっかり見つけていきたい。今年はもうコロナも明けたので全開で、積極的にやらせていただきたい」

コロナ禍を経てルールや状況が変わってきている就職活動の今。学生、企業ともにその変化に対応しようと奮闘しています。