太平洋戦争を見てきたクラリネット 平和を願う音色を奏でる
こうした中、5月27日、満を持してコンサートが開かれました。
(井手茂貴さん)
「ほんとは矢野さんにこの場にいてほしかったけど、天国で矢野さん聞かれてると思う」

この日は200人の観客がつめかけ、そこには、矢野さんの親族の姿もありました。
(コンサートで説明をする 井手茂貴さん)
「お前はこれをやれということで、(矢野さんに)与えられたのがこのクラリネット。そして、海軍音楽隊は、戦艦『大和』に乗ることになるんです。海軍の音がよみがえります」


矢野さんのクラリネットで海軍ゆかりの曲など4曲が演奏されました。
(クラリネット奏者 濱崎 由紀さん)
「クラリネットは、楽器全部そうだが、その人の音になる。吹きながら、矢野さんはこんな音を奏でる方だったんだなというのを時代を超えて感じられた。楽器が喜んでいると感じる瞬間がたくさんあって、私もとても幸せな気持ちになった」



太平洋戦争を見てきた矢野さんのクラリネットは、時を経て、平和を願う音色を奏でていました。
(矢野さんの娘 谷 光子さん)
「父が吹いているみたいだった。もう感激したし(父も)とてもとても喜んでいると思う」

(訪れた人たち)
「海上自衛隊の音楽隊にいたので、ものすごく感激した。本当に昔のことを思い出して涙がでた」
「聞いていて癒される音楽で、(当時の人は)毎日大変な思いをしていたけど、疲れが吹き飛ぶような演奏だった」


3年越しで矢野さんへの思いを実現させた井手さんは・・・
(井手茂貴さん)
「矢野さんは生前ぽつりと『やっぱり戦争はやっちゃいけない』と言っていた。やっぱり、これは平和の楽器だと思う。太平洋上で演奏されたり、いろんな方の前で演奏されたり、歴史を経てきた楽器だけに自分としては語り継いでいきたい」


時に、兵士たちを鼓舞し、癒してきたクラリネット。平和を願う音色を奏でながら、戦争の記憶を語り継ぎます。


※MRTテレビ「Check!」5月30日(火)放送分から














