実態不明の“指導死” 第三者による調査や相談窓口を

子どもの自殺をめぐっては、2022年度に小中高校生の自殺者数が514人となり、1980年以降最多となっています。
調査では自殺前に生徒が置かれていた状況も調べられていますが、およそ6割が原因不明とされています。「指導死」もその中に含まれているのです。
5月29日、加藤健三さんら「指導死」の遺族が会見を行い、「実態を知ってほしい」と訴えました。

弟・悠太さんを亡くした はるかさん
「原因不明の中に、私達の大切な家族が含まれてしまっているというのが、現状としてあります」
はるかさん(29)は10年前、札幌市の高校1年だった弟の悠太さん(当時16歳)を「指導死」で亡くしました。

はるかさん
「悠太には明るい未来が見えてたんだろうなっていうのを、すごく感じる写真で」
裁判で「指導死」が認められてもなお、学校側は原因が教員の指導にあったことを認めていません。
はるかさん
「(学校は)責任を逃れることしか考えてないっていうのが本当にショックで。その子が残した苦しみを聞かずに(自殺の)原因不明にチェックをする。それで、数だけを見るっていう、その子供の自殺の取り扱い方っていうのを変えたいという思いで」

はるかさんら遺族は「指導死」に関しての第三者による調査体制の整備や、行き過ぎた指導に関する相談窓口について周知してほしいと訴えます。
はるかさん
「声なき声に耳を傾けて、原因不明で終わらせずに、次の命を救うために検証していっていただきたい」

文科省は今年の調査でようやく「指導死」の実態把握に動き出します。
子どもの命を守るための対策が急がれます。
今、悩みを抱えているという方は、相談窓口「日本いのちの電話」があります。
このほか、厚生労働省のホームページでも紹介されています。
【日本いのちの電話】
フリーダイヤル 0120-783-556 毎日:午後4時~午後9時
毎月10日:午前8時~翌日午前8時
ナビダイヤル 0570-783-556 午前10時~午後10時














