「指導死」という言葉を知っていますか?学校の教員からのいきすぎた指導で子どもが追い詰められ自ら命を絶つことです。自殺した子どもの約6割が原因不明とされていて、「指導死」も含まれています。遺族は会見で「実態を知ってほしい」と訴えました。
“指導死”遺族らの訴え 「死ぬほどのことしたのか」

加藤碧さん。妹の誕生日を笑顔で祝った9か月後、悲劇は起きました。
碧さんの父 加藤健三さん
「おおらかというか、お兄ちゃんらしいところをよくを見せていて」
碧さんは2017年、東京・板橋区の城北中学校に通っていた中学1年のとき、自ら命を絶ちました。
加藤碧さん(小学校卒業式)
「毛利衛さんのような、宇宙飛行士になります!」

宇宙に興味を持ち、中学校では好きな水泳を部活に選んで、熱心に取り組んでいたといいます。その日は冬休みでしたが、補習と部活があり、碧さんは登校していました。
そして教員から「指導」を受けたおよそ15分後、命を絶ちました。

調査や検証を行った第三者委員会の報告書では、碧さんは亡くなる前日、年賀状を書くために教諭から聞いた住所をクラスの友達にも教えようとグループLINEに送り、そのことで「指導」されました。
第三者委員会の報告書(教諭の言葉)
「『とんでもないことをしてくれたな』」
第三者委員会の報告書
「教育的指導というよりは、まさに犯罪を行った犯人を捜すかのような手法」

碧さんは亡くなる当日にも、前日とは別件で「指導」を受け、報告書には「心理的に追い詰めるような威圧的な指導」だったことが記されています。
加藤健三さん
「『指導死』という言葉なので、(子どもが)悪いことをしたんでしょって一言で片付けられて。じゃあ、死ななきゃいけないほどの、追い詰められなければいけないほどの何かをしたのか」
父・加藤健三さんは6年たった今も、碧さんのことを思い続けています。
加藤健三さん
「食事も5食必ず作って、ずっとそれが当たり前なんですけど、うちは絶対にずっと5人家族なんで。身近な人にはよく言うんですけど、お店とか入って、『4名様ですか』とかって言われると・・・」














