将棋の藤井聡太叡王に岡山市在住の菅井竜也八段が挑む、叡王戦第4局がきのう(28日)、行われました。同じ局面を繰り返す「千日手(せんにちて)」が2度現れ、1日で3局対局する12時間に及ぶ死闘の末、菅井八段は藤井叡王に惜しくも破れました。

叡王戦5番勝負・第4局の対局前日、決戦の地・岩手県宮古市の浄土ヶ浜で、菅井八段・藤井叡王の2人は東日本大震災の犠牲者への献花と黙とうを行いました。

そして迎えた対局当日。菅井八段は、1勝2敗のカド番で、後がない状況です。この対局では、序盤に同じ局面が4度現れる「千日手」となり差し直しに。

更に、午後6時30分、差し直しの2局目でも再び「千日手」が成立。もう一度差し直しとなりこの日3度目の対局です。

3局目、藤井叡王が有利に進め、90手で勝利し、3連覇を果たしました。

(藤井聡太 叡王)「全体を通して苦しいシリーズだったと思うので、その中で、何とか結果を出せたことをうれしく思っています。」

(菅井竜也八段)「叡王戦は数年ぶりのタイトル戦で、気合も入っていたんですけど、結果が1勝3敗ということなので、力不足と思っています。うーん・・まあ、力不足です。」

(スタジオ)

ちなみにVTRの中にも出てきた「千日手」とは…千日たっても勝負がつかないことから。命名されました。

こちらが「千日手」となった第1局の44手目の局面です。2人は「飛車」と「角」だけを互いに動かした結果、同じ局面が4回現れたため、「千日手」となった訳です。

この「千日手」が、昨日は、2回もあったんです。それだけ2人の実力が拮抗していたということなんですよね。

菅井八段は、藤井叡王に敗れはしたものの、勝つチャンスが何度かあり、菅井八段の得意とする「振り飛車」の奥深さをファンに印象付けたシリーズとなりました。今後の菅井さんについてですが、名人への挑戦を目指すA級リーグ戦などを控えていて、再びタイトル挑戦の場に出てくることを期待したいですね。