近年、魚介類などの漁獲量が減る中で、注目されているのが植物由来の代替食品です。民間の調査会社によりますと、植物性代替食品の世界の市場規模は2019年度にはおよそ1兆円に拡大。そのうち日本は178億円で、2010年度と比べて3.7倍に成長しています。

こちらは、岐阜県本巣市にあるイビデン物産。
製造の中心は、カップ麺の具材として使われるナルトやかまぼこ。さらには、ふりかけなどの食品です。

しかし、ことし4月からは新たな動きが!

(イビデン物産 久保修一社長)「こちらが代替エビ」

ずらりと並んだ料理に使わているエビは、すべて「代替エビ」です。エビのようでエビではないのです。その原料は…

(イビデン物産 久保修一社長)「エンドウ豆から抽出したタンパク質を使っている。食感を出すためにコンニャク芋のマンナン粉が入っている」
エビのような弾力を作り出すために、コンニャク芋から精製したマンナン粉が使われています。
この会社では2018年から大豆を使った「代替肉」の開発を行ってきましたが、「代替エビ」の開発はある社員の一言がきっかけでした。
(イビデン物産 久保修一社長)「妻にエビを食べさせたいという社員の一言だった。エビ・カニなどの甲殻類のアレルギーでして」

こうして代替エビは去年4月から1年かけて開発。100%植物由来なのでエビアレルギーの人でも食べられます。味の追求はもちろん、見た目も大事です。
このエビのような赤みは、トマトを使って出したものです。本物のエビと比べてカロリーと脂質は半分以下。食物繊維はおよそ10倍です!その味はどうなのか?まずはアヒージョでいただきます!

「エビ!噛めば噛むほどエビですね!」
(イビデン物産 久保修一社長)「私共はかまぼこを作っているのでいろいろ蒸したり、ゆでたり、冷凍したりその所々の温度プロセスを変えてやることによってこの(エビの)食感を出すことができる」
お次は、エビピラフで!

「ピラフのエビそのものという感じがする。例えば今日はエビだといわれても気づかないと思う」

製造する「代替エビ」は乾燥タイプと冷凍タイプの2種類。
価格は本物の冷凍エビより安くできるということで、ことし6月には外食産業を中心に売り込みを開始する予定。今年度中に1億円の売り上げを目指しているということです。
