
陸奥湾にやってくるカマイルカ
ジャンプするイルカの群れを発見
イルカを確認するため、むつ市の観光遊覧船「夢の平成号」に乗船。この船は、むつ市脇野沢港から仏ヶ浦への航路を走る観光遊覧船で、村のシンボルである鯛島や下北半島西海岸の絶景を見ることができ、毎年期間限定で「イルカウォッチングコース」が実施されています。参加した5月18日は、青森県内だけでなく県外からの計10人が乗船し、イルカとの出会いを求めて出発しました。天候は快晴、海は凪。はたしてイルカを見つけることはできるでしょうか?


出航するやいなや、イルカ発見!船の近くまで寄って来て並走したり、ジャンプしたり、思いのほか俊敏な動きを見せる野生のカマイルカたち。乗船客からは歓声があがります。
この日確認できたカマイルカは50頭(むつ市調べ)。ガイドの方によると、多いときには100頭以上確認できる日もあるそうです。


なぜイルカは青森にやってくるの?
カマイルカは日本の沿岸から北方四島のあたりまでに分布していて、4月から6月にかけ陸奥湾にやってきます。なぜこの時期、イルカは青森にやってくるのでしょうか。
陸奥湾でイルカの調査研究を続けている青森大学社会学部の清川繁人教授にききました。
※青森大学 清川繁人 教授
「イルカの大好物の餌がイワシなんですね。そのイワシが日本海から海流に乗って陸奥湾に入ってくるんですよ。それを追いかけてイルカたちも陸奥湾にやってくるんです。」
清川教授によると、陸奥湾は、日本海から津軽海峡を経由して流入する暖流と、八甲田などのからの雪解け水が流入してぶつかる海のため、その境目にプランクトンが豊富に発生するのだそうです。その結果、イルカの餌となる小魚、中でも好物のイワシがたくさん集まり、餌を求めてイルカやってくるというのです。
豊富なエサを求めてやってくるイルカたち
さらに、陸奥湾には、イルカの天敵であるサメやシャチが入ってこないため、イルカにとって安心な場所なのではないかということなのです。

※青森大学 清川教授
「陸奥湾のようにこれだけ大量のイルカがみられる場所っていうのは、世界中でたぶんほかにはない。調べて見ると、三内丸山遺跡にもイルカの骨が見つかったりしていて、イルカは昔から青森の身近な生き物だったのではないか。イルカを通して、海の環境にも興味を持ってほしい」
イルカウォッチングのベストシーズン到来!
4月から6月は野生のイルカと出会えるのベストシーズン。イルカウォッチングの観光遊覧ツアーも企画されています。餌を食べた後、船に近づくダイナミックでかわいいイルカに会いにでかけてみてはいかがでしょうか。
「イルカいないかキャンペーン」(2022年6月30日まで)問い合わせ むつ湾フェリー株式会社 0174-22-3020
「夢の平成号イルカウォッチングコース」(2022年6月19日まで)問い合わせ シィライン(株)脇野沢営業所 0175-44-2233