今回のサミットについてロシアはどのように受け止めているのでしょうか。

ロシアの大衆紙、日曜日が休刊日のためいずれもバフムトの制圧を一面で取り上げていて、サミットについては淡々と報じるにとどまっています。

ロシア側がバフムトの完全制圧を発表したのは、ちょうどゼレンスキー大統領が来日した20日で、真夜中になってプーチン大統領はワグネルとロシア軍に祝意を示しました。ロシアではワグネルのような傭兵は違法な存在ですが、プーチン氏の祝意について独立系メディアは初めてお墨付きを与えた形だとしていて、プーチン氏としては、それだけこのタイミングで戦果を内外にアピールし、侵攻を続ける姿勢を示す狙いがあったものとみられます。

そうした中、ロシア外務省は今回のサミットに強く反発する声明を出しました。ゼレンスキー氏を参加させたことで「プロパガンダのショーになり果てた」とし、サミットの声明は「反ロシア、反中国の悪意で満ちている」と批判。中国にも言及することで対欧米で連携を図りたいものとみられます。

もう一つ強調したのがグローバルサウスとの関係です。「G7は彼らを取り込み、中ロとの関係発展を阻もうとしている」とし、ロシアとして欧米と一線を画すグローバルサウスとの関係強化を図る中、欧米とグローバルサウスとの接近に強い警戒心を示した形です。