東京電力は22日、柏崎刈羽原発6号機に関する書類80枚を一時紛失したと発表しました。市民からの届け出で発覚し、現在も書類38枚の行方が分かっていません。
核物質防護などの情報は含まれていないということです。

東京電力によりますと、20日に地域住民から「柏崎刈羽原発6号機に関する書類を拾った」と申し出がありました。
その後、社内で確認をしたところ19日に20代の社員がテレワークをするため、80枚の6号機に関する書類をバスに乗って自宅に持ち帰っていたということです。
社員は自宅で自家用車の中から荷物を取り出す際に車の屋根の上に書類を置き、その事実を忘れたまま車を走らせてしまったということです。
この書類は外に持ち出し可能なものでしたが、持ち出す際に必要な所属長の許可は得ていなかったということです。
持ち出したのはいずれも、火災防護や溢水防護に関する内容が記載されている書類で、核物質防護や原発の安全にかかわる重要な情報や、個人情報などは載っていないとしています。

社員は届け出を受けて、自宅から車で走った経路を戻り書類を一部回収しましたが、いまだに38枚の行方が確認できていないということです。
東京電力では、社員と上司に対し厳重注意をするとともに、再発防止に努めたいとしています。
この件について、新潟県柏崎市の桜井雅浩市長は「核セキュリティ上の重要情報でなかったことは不幸中の幸いだが、“うっかり”を防ぐシステムが機能しておらず、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を東京電力に委ねてよいかどうか不安を感じはじめている」という趣旨のコメントを発表しています。