東北大学の田中教授がある実験動画を見せてくれました。
東北大学(水工学) 田中仁総長特命教授
「水を入れて堤防を越えてくる(背後で)何がおこるか調べたもの」
波が堤防を越えた場合、背後では水の勢いで地面が掘られる「洗掘」と呼ばれる
現象がおき、次第に、堤防そのものも削られていきます。

東北大学(水工学) 田中仁総長特命教授
「全体的に削られてしまうと水がどーといってしまう」
こちらは、上が堤防に鉄の板を設置した場合、下が、表面をベニヤ板で覆った場合の実験です。
どちらも堤防の強度は増すものの、越流した際はやはり洗掘現象が起きています。



どのような堤防でも波が越えてくれば、洗掘現象で削られていき最終的に決壊する可能性があると田中教授は指摘します。
東北大学(水工学) 田中仁総長特命教授
「2011年の後に(津波に対し)粘り強い構造物にしているが、どんな津波が来ても大丈夫なんてものはない」
河川津波で被災した気仙沼市のバス営業所。
今後、大津波が予想される際は、すぐ高台へ逃げることを決めています。

ミヤコーバス津谷営業所 菊田秀人所長
「運転手も津波の経験をしているので、経験を基に自分の命を守るという意味で
常に高台に避難する」
日頃は穏やかで生活に身近な河川も、ひとたび津波が押し寄せれば危険な存在へと変わります。
こちらは、今月10日に県が公表した津波浸水想定図です。

今回取材した気仙沼市本吉町津谷地区を見てみると、新たな想定でも川をさかのぼる津波によって、一部の地域で3メートル以上の浸水が予想されています。
気仙沼市でもハザードマップを活用しながら、地域住民に避難場所や経路について呼びかけていく方針です。