今も続くロシアのウクライナへの侵攻で日本に逃れてきたユリヤ・ボンダレンコさんは「平和が当たり前でないこと」をアートを通して訴えています。銃弾で穴が開いた鍋、割れた皿など、戦場の「がれき」を現代アートするプロジェクトを取材しました。
戦場の「がれき」がアートに 避難のウクライナ人画家

2023年3月下旬の大阪市、ユリヤ・ボンダレンコさんのもとに2つの荷物が届きました。
中に入っていたのは、割れた皿や、穴が開いた鍋などの生活用品、さらに…。
ウクライナから避難 ユリヤ・ボンダレンコ さん(31)
「鉄で作られた蓋。これは弾丸の痕だと思います。侵攻されたときの弾丸」
これは、ロシアの侵攻直後に激戦地となったウクライナ北部のチェル二ヒウから届いた「がれき」。その街はユリヤさんの故郷でもあります。
現地でがれきの撤去作業を行っているボランティア団体に送ってもらいました。
土で汚れた女の子のシューズや、穴が開いているワンピースも入っていました。

ユリヤさん「物理的なダメージはすぐに見ることができる。でも精神的なダメージとか、心の中のけがは見ることができません」
こうした「がれき」を使って、ウクライナの子供たちを支援しようというプロジェクトが動き出しました。
ユリヤ・ボンダレンコさんが来日して間もなく1年になります。
ロシアによる侵攻でウクライナから避難。もともと日本文化に関心があり、言葉も学んでいたことから日本に渡りました。
画家であるユリヤさんは、現地の惨状を絵を通じて訴えています。