中国外務省は、北京にある各国の大使館に対して公館の壁を「政治的な宣伝」に利用しないよう求める通知を送ったことについて、「各大使館は中国の法律を守る義務がある」と主張しました。
北京ではロシアによるウクライナ侵攻以降、ヨーロッパの国々を中心に大使館の壁などにウクライナへの支持を表明するスローガンが掲げられていますが、中国外務省が今月10日付の通知で各国の大使館や国際機関の代表部に対して公館の壁を「政治的な宣伝」に利用しないよう求めたことがわかりました。
「政治的な宣伝」の具体的な内容は示されていませんが、ウクライナ支持を表明するスローガンなどを問題視したものとみられます。
これについて、中国外務省はきょうの会見で次のように述べました。
中国外務省 汪文斌 報道官
「在中国の各国大使館や国際組織は、中国の法律を尊重する義務がある」
そのうえで「中国政府は各国大使館に対し、外交関係について規定したウィーン条約など国際協定を遵守しながら職務を行うよう呼びかける」としています。
ウクライナ問題をめぐり中立の立場を主張する中国ですが、今回の通達によりロシア寄りの立場をとるのではないかとの不信が欧米各国を中心に広がる可能性があります。
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