LGBTやLGBTIQといった多様な性の在り方。19日金曜日に開幕するG7広島サミットを前に国会では「LGBT理解増進法案」が提出されようとしています。2年前、超党派で合意した際には性差別を禁止する内容でしたが、現在は理解を深める内容に後退しています。当事者は、こうした動きをどんな思いで見ているのでしょうか。

自民党総務会は16日午前、「LGBT理解増進法案」の修正案を全会一致で了承しました。自民党内では反対論が強かったことから2021年に超党派の議員連盟がまとめた「差別は許されない」との表現は「不当な差別はあってはならない」「性自認」は「性同一性」に修正されました。

※自民党 遠藤 利明 総務会長
「全て100%みんなが納得するものを作るというのは難しい話であって、少しでも前進をする。そうしたことの努力を積み重ねてきたわけですから、そういう意味では、私は大変評価していいものだろう、と」

自民党は公明党とともに、19日金曜日のG7広島サミット開幕前に国会への提出を目指します。

※青森レインボーパレード実行委員会 岡田 実穂 共同代表
「バイセクシャルであるのかなとか自分の中でいろいろな可能性を考えていたが、二十歳ぐらいからは、レズビアンと認識しています」

こう話すのは「青森レインボーパレード実行委員会」の共同代表・岡田実穂さんです。“多様性”を表す虹色の旗やプラカードを掲げて青森市の中心部を歩き、多様な性の在り方への理解を呼びかける「青森レインボーパレード」。

※青森レインボーパレード実行委員会 岡田 実穂 共同代表
「この街で最期まで生きられる。そんな選択をこの街でできるようにしてください。青森レインボーパレードは、みんなのそんな思いを乗せながら一歩ずつゆっくり歩いていきます」

2014年、岡田さんが仲間とたった3人で行った東北で初めてのレインボーパレードは2022年、約200人が参加して9回目を迎えました。青森から当事者の声を発信し続けてきた岡田さん。19日に始まる広島サミットに間に合うように「LGBT理解増進法案」の提出を目指す今の国会の動きをどう見ているのでしょうか。

※青森レインボーパレード実行委員会 岡田 実穂 共同代表
「ただG7のため。差別をされているとか、偏見にさらされているとか、今まですごく生きづらかったという思い。だから欲しいんだ法律が。ということが無視された状態で本当に形だけの法律が作られようとしている。」