中国外務省が日本を含む各国の大使館に対して、公館の壁を「政治的な宣伝」に利用しないよう求める通知を送ったことが分かりました。ヨーロッパの国々が大使館に掲げているウクライナ支持を表明するスローガンを問題視したとみられます。
記者
「カナダ大使館の壁にも、ウクライナを支持する看板が掲げられています」
北京ではロシアによるウクライナ侵攻以降、ヨーロッパの国々を中心に大使館の壁などにウクライナへの支持を表明するスローガンを掲げています。こうした中、中国外務省が今月10日付の通知で各国の大使館や国際機関の代表部に対して、公館の壁を「政治的な宣伝」に利用しないよう求めたことが関係者への取材で明らかになりました。
「政治的な宣伝」の具体的な内容は示されていませんが、ウクライナ支持を表明するスローガンなどを問題視したものとみられます。
ロシアによるウクライナ侵攻以降、中国は「対話を通じて問題を解決すべきだ」として2月には停戦案を発表したほか、今週からウクライナなどへ特別代表を派遣するなど、調停に乗り出しています。しかし、今回の通達により中国がロシア寄りの立場をとるのではないかという懸念が強まり、欧米諸国からの不信を招く可能性がありそうです。
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