望まない妊娠を防ぐための「緊急避妊薬」を薬局で買えるようにすべきかどうか、厚生労働省できょう議論が行われました。店頭販売をめぐって事前に寄せられた意見は4万6000件にも上っています。
大阪府に住む、21歳の女性。
今年2月に男性と性行為に至った際、避妊の協力を求めましたが応じてもらえず、不安になり「緊急避妊薬」を使うことを決めました。
緊急避妊薬を使用 大阪府の女性
「その時はただただ焦っていて。もし妊娠したら私はどうするんだろう、中絶とかするのかなみたいな」
この薬は、性行為から72時間以内に服用すれば一定程度の確率で妊娠を防げるとされているもので、「アフターピル」とも呼ばれています。ただ、日本でこの薬を手に入れるためには医師の処方箋が必要です。
女性も、まずは診察してくれる医療機関を探しましたが…
緊急避妊薬を使用 大阪府の女性
「まずは『緊急避妊薬』って検索したが、いろいろバーって情報だけは出てくる。(病院は)日曜日開いていないし、土曜日は仕事で。ただただ焦って、この手段でもらえなかったら次どうしたらいいのかなって」
その後、なんとか休日でも診察してもらえるところを見つけたものの、今度は薬を処方してもらえる薬局が自宅の周りで見つからず。結局、薬局まで電車を乗り継ぎ、1時間以上かけて薬を取りに行くことにしました。
緊急避妊薬を使用 大阪府の女性
「(薬を)取りに行く頃には72時間のタイムリミットが迫っていた。『もうこれしかない』みたいな感じでしたね」
必要とする女性がすぐ手に入れやすいように、海外ではおよそ90もの国や地域で、処方箋なしに薬局などで買うことができるこの「緊急避妊薬」。日本でも2017年に薬局での販売を解禁するかどうか検討が行われましたが、薬剤師の知識不足などを理由に「時期尚早」として一度見送られています。
薬局での販売を認めることについて街の人は…
10代 大学生
「手軽に、病院ではなく薬局で買えたほうがいいのかなと思います」
20代 公務員
「病院に行って、なかなか気軽に先生に話して薬もらうっていうのは、若い女性とかも言いづらい部分があるのかなと思うので、薬局で手軽に買えた方が」
きょうの検討会で報告された4万6000件を超えるパブリックコメントでも、9割以上が薬局での販売に賛成する内容でした。
一方で、慎重な声も…
30代 医療従事者
「緊急避妊薬以外の避妊の方法を男性が怠るという可能性が考えられるので、薬局で簡単に買えるから。医師の処方があって、ちゃんと受診して買うというほうがいいのでは」
店頭販売は認められるのか。議論の行方が注目されます。
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