◆「今こそ民生委員」OB/OGのネットワークが現役に情報提供


民生委員の不足を補うための取り組みも始められています。春日市で25年近く民生委員を務めていた門田昌子さん。高齢のため84歳で退任しましたが、これまでの経験を活かして自主的に地域の見守りを続けています。


門田さん「ご近所で見かけない方や新聞がたまっている方はいますか」「うちのところは気がつきませんけど」

春日市では門田さんたち約25人のOB/OGがネットワークを作り、身近なつきあいや暮らしの中で得た情報を現役の民生委員と共有するなどしてサポートしているのです。


相談した女性「困ったことでも信頼していればこそ相談できる。もちろん(門田さんは)引退されましたが無理のない範囲で、できればお助け頂きたいなと思っています」

門田さん「コロナで高齢者の生活も変わってきています。より閉鎖的になっている人もいるので、今こそ民生委員の働きが重要なので、私たちはあくまでサポートという形で支援していけたらと思っています」

専門家は、民生委員の不足が今後、孤独死する高齢者など地域で孤立する人を増やしかねないと指摘します。そのうえで、地域全体で見守る新たな仕組みを作ることが重要だと訴えます。


九州大学・高野和良教授「民生委員だけに頼っていくということではなくて、みんなで気を配りながら、民生委員とともに地域を支えていく関係や雰囲気をさらに作っていくことが必要だと思われます」